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INNOCENT・CANON



スタッフの誰かがサイトを巡っていたら、私が1971年、27歳の時に参加したジャズアルバムがあると。そのタイトルを「イノセント・カノン」と云って、無邪気な加納とも云える、まぁその辺は音楽世界のノリをストレートに直訳していっても意味が無いかもしれない。
 
前年、平凡パンチN.Y.特集号の為に、石川次郎さん、イラストレーターの小林泰彦さんとN.Y.に撮りに行き、その撮影後、草間彌生のイーストヴィレッジのスタジオで彼女のパフォーマンスを撮った写真を、日本橋のDICビルにあったギャラリーで発表した。写真展「FUCK」である。
 
展覧会オープンの翌日、私は一躍世に躍り出て有名人と化していた。時代は何を錯覚したのか、オピニオンリーダーを求めて私に色んなメディアがアプローチしてきた。其の中の一つにキングレコード恩田さんという女性プロデューサーが声を掛けてくれて、ジャズドラマー猪俣猛とサウンド・リミテッドとのコラボレーションしないかと云ってきた。常々写真以外のメディアにも興味を持っていた私としては他のジャンルでどういう人がどういう感性とシステムのもと表現しているのか知りたくて、若者は行動第一と参加した。
 
ところが、私は歌手でもないし、ジャズで好きな女性シンガーはいたが、ことさら系統立てたジャズファンではなかった。
で、何やったら良いの?ということになり、私が自室でウイスキーをあおりつつカセットに訳の分からない自説をのたまったり非論理的な感覚言葉の羅列だったり、途中で怒鳴っていたり、要するに取り留めのない、言葉の不連続を録音し渡したのを覚えている。
まぁ猪俣さん、苦労しただろうけど、猪俣さん始め結構な面子が揃っていた・・・そしてLPレコードとして発売された。(ジャケットデザインは長友啓典だと記憶しているが) 上がったのを聴き猪俣さんのジャズは非の打ち所無しだが、何か私は浮いていて訳のわからないことを怒鳴ったり、とてもじゃないが余人に聴かせられたもんじゃないと・・さすがの自信過剰も此れだけは知られたくないなと・・やっておいて其れは無いけどさ。
 
とにかく私の手元にも無いし、話の中でもほとんど口にしてこなかった。ところが今度12月にキングレコードからCDで出るらしい・・・(キャイ〜ン!)どうしよう。
スタッフにYoutubeで探させ、42年振りくらいに聴いた。カユイ!キモイ!カユイ!キモイ! 本当にモオさあ・・・
でも待てよ、これ聴きようによってはラップじゃん!
今やラップは云うまでもなく音楽のジャンルとして確立されている。私と猪俣さんがやったことはラップの走りも走り、とも云えなくないなと。いや、聴いてみて、ふとそんな感じがしたよ。どうですか皆さん、ここまで自己正当化出来る人間はそういないでしょう?こと間違って聴くタイミングがあったらFBでもTwitterでも、ご意見返して下さい。罵声・怒声は要らないよ、意見だよ!ヨロシク!!
11日から一週間⇒銀座キヤノンギャラリー・・加納典明個展《カオ》もヨロシク!

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