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杵島隆さんの天上昇還を見送る会



写真家・杵島隆・さんが冬の終わりに亡くなられた、享年90才。
震災のため予定が延びて昨夜虎ノ門の霞山会館で開かれ多くの写真関係を主に沢山の方が集われた。
杵島さんは私が19才の時に上京し弟子入りした、当時秋山庄太郎さん達と並び称される高名な写真家でした。
21才迄の2年間助手として教わりました、先輩にタッド・若松さん、同輩に今や有名なオルゴール・アーティストとして海外でも名を馳せている村井康二さん、知らなかったのだが後輩に三好和義さんが来られていて、へえーそうかといったおもいであった。
ご存知かとも思いますが三好さんは現在、風景写真において克ってなかった境地を、当たり前だがデジタルの時代アマチュアでも偶然プロ紛いの写真が写る時代に、到底遠く素人には及び得ない写真を撮っていて、我々プロからしても感嘆するところ大であって、何よりも目の前の世界に真っ正面から衒いなく堂々と向かっている有り様が素晴らしく見習うところ多々である。
杵島さんは私が杵島スタジオに入る前ですが皇居桜田門にヌードの女性を立たせて撮った写真が有って、今見てもよく撮ってるなと云える写真で、昨今篠山紀信さんが東京の街中でヌードを撮って物議をかもしたが、杵島さんの写真は、何と云っても背景が皇居、展覧会が終わってから警視庁が来てジープで警視庁に連れて行かれ取り調べを受け、聞いた記憶では始末書を書いて一件落着とのこと、写真は没収されたとか、何れにしても先生ただ者ではない。
後年、杵島さんの其れとは事と次第が違うが、私も写真集[きクぜ]で杵島さんの桜田門外の変の真ん前のビルの桜田商事に呼ばれ10日間の監禁ツアーをしたことがあるが、此れは事情があって認めてしまったのだが、記者会見で最高裁までやると見栄を切ったのに自ら箍を外すことになり悔しい記憶として残っている。
其れでも杵島さんと私は何か勝手な思いだが繋がらせてもらっている感じが有って、師匠を思う度に頑張らねばと思う。
もう1つ杵島さん私と篠山さんの件の時代を考えると社会はどんどん保守化して行ってて、東京都の教育委員会等の性表現えの硬直振りは凡そ此の大都市の文化程度を現していて、夫々委員に世界を知れ、表現とはを知れ、アートとはを知れと言いたい。
其のトップに居る方は作家と云う本職を持つアーティスト石原慎太郎さんなんだけどね。
アーティストとは時代の歴史のページをめくる先兵なのだが、現在のアーティストの多くはビジネスアーティストでアートに寄り添う擬態者達が受けている。
民よ心眼を持つことだ。
写真は沢渡朔さんが会場で撮ってくれたものです。

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