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生きる為に死ね!



今日も帯広・チロット音楽祭2011・の取材で一日暮れた。
今日はソプラノ歌手・緑川まり・さん登場で以前ロシア、サンクトペテルブルグで同じくソプラノの・アンナ・ネトレプコ・を撮ったことがあるが声楽家と云うのは目の当たりにすると常人には無い実存感があって引き込まれる。
緑川さん例えば第九を歌わせたらソリストとして折り紙付きの実力者で、昨今クラシック界も整形付きの美形が受けるとの事だが緑川さん私のイメージにあるソプラノ歌手って感じがバッチリで、失礼だが動く人形って気配が魅力的で、真近で聴いていると矢張り常人に在らずだ。
彼女と宮本文昭さんと幕別町百年記念ホールから帰る車の中で昨夜の話題、マーラーの話になって緑川さんは2番が宮本さんは5番と、夫々引っ掛る所以を話していたが、聞いていてマーラーは結局哲学者で其れを音楽と云うジャンルで追っ掛けた人なのかと思い気に入ったな、勿論聴いた事はあるが曲と面と向っている音楽家から話を聞いていると、つねづね人は、其の営みは、少なからず哲学的であるべしと考えている私としてはマーラーを再確認しなくてはと認識させられた。
宮本さんが5番を指揮しながら彼の意識を混沌とさせ出た言葉に《生きる為に死ね》と云うのがあって、其れに引っ掛った。
昔アルヴェール・カミュが・苦悩する事は人間の営みの中で最上のものである・といったことがあるが、其れ程オーバーじゃないにしろ此の、生きる為に死ね、はインプリントされてしまったな。

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